山口敏郎 インスタレーション作品展 「胎内=油亀」

どこかみたような風景はまさにこれから見るであろう未来の風景である。現在から過去のある時点は未来のある時点と等距離にあり我々の到達できうる視点もその範囲にまで広げうる。 ならば過去をどれだけ深く見ることにより未来も透視できうる。 反対にいかに前衛なものをつくろうとも、それはすでに過去にある。 

 

どこかみたような風景はまさにこれから見るであろう未来の風景である
現在から過去のある時点は未来のある時点と等距離にあり我々の到達できうる視点もその範囲にまで広げうる
ならば過去をどれだけ深く見ることにより未来も透視できうる
反対にいかに前衛なものをつくろうとも、それはすでに過去にある。

スペイン在住27年のアーティスト山口敏郎(邑久町出身)氏のインスタレーション作品展を開催します。
会場である油亀は築130年のかつて油問屋として使われていた建物。
奥に細長く延びた空間、 道路から一段下がり這い蹲うように佇んでいる格好は正に亀の姿を直感させます。
山口氏はこの建物がもつ生命力を感じ取り、「土間」、「座敷」、「ブリキで出来た油の貯蔵庫」、「坪庭」、「茶室」を、彼の仮設により生物の胎内として見立てました。
彼の壮大なインスタレーションにより空間は新たな様相を見せ、生命の自己増殖を思わせる空間が誕生します。

何十層と重ねて作られた絵画から未発表の最新陶作品まで、山口敏郎氏のこの10年間の活動の奇跡を辿る集大成と言える本展覧会をどうぞご覧下さい。

ブリキの部屋に落ちる「銀華」   

ブリキの部屋

商品の油が引火しないため元々銀と鉛の合金を指していたスズを鋼板に覆ったブリキにつつまれた部屋。ここで精子としての種が誕生する。それは「銀華」として現れる。花とは植物の性器であり,慶弔共に登場することからも既にそこに生と死つまり,エロスとタナトスという命題を内包している。銀の結晶に包まれ、静かに射精され、土間に降り立つ。動物の精巣が体外にあり、精巣の温度を体温より低く保つのに役立っているように、油亀のブリキの部屋もメッキされたスズの持つ高い熱伝導率と優れた保温性が生かされている。大地とのはじめての接触。ひんやりとした感触。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「記憶の棚」   

記憶の棚

記憶が蘇る棚。一つずつ引き出す行為自体が作品であり記憶となる。質感、色、重さ,におい。手に取ることでわかる新しい感覚。横から見る「seed」はそれらがバーコードであるかのよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

種   

一枚の画面に何十層もの絵の具が塗り重なり、それが表情へと変わる。

 

 

 

 

 

 

 

意思を持ち飛び立つ「移動する種」    

座敷

座敷という一段高く試練の待つ未知の空間へと辿り着く。人が靴を脱ぎ過去に峻別し新たなステージに上がるように、彼らも子宮という恒常的な感覚から逸脱し新鮮な驚きで世界を見直すため移動する。そしてその種は一つ一つ、過去から今までの人類(さらには人類以前からの)共通の全ての記憶が組み込まれた遺伝子という自己保存システムを持っている。種としての生命はその記憶によって個人たりうる。たとえその記憶がおぼろげで壁の中にうずもれたしみのようなものであろうとも。種達は交差し、融合し、その記憶システムは新しい記憶を組み込み共有化していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

表面に突起物を持つ「移動する種」。この突起物はまた移動するための「意思」を意味する。 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

坪庭

坪庭はさらに新たなステップ、不思議な空間である。亀の甲羅にぽっかり穿たれた穴、あたかも宇宙船に付けられた宇宙空間へ繋がる入り口を連想させる。もはやここでは上とか下とかの区別は意味をなさない。交信、何のための。謎である。落とし穴?或いは休憩所?ここで再び土との接触がある。大地を確認する。そうだ、この構築物としての亀は大地の上に浮かんでいるのだ。少なくとも置かれている。しっかりとは大地に根付いていないのである。(その大地ですらマントルの海に浮かんだ薄くて脆い地殻の上を絶え間なく流動している)。四季の変移、昼夜の差異、天候の違いを始め外界の全ての情報が降り注ぎ、種たちにアーカイブされる。初めての外界との接触。母体としての亀が動くのか大地が変化するだけなのか?

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

    意思を持って浮遊し庭を渡る種たち。

 

 

 

 

 

移動する種   

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

「赤い糸」   

浴室

バスタブの四角い穴。人間がそこで体を横たえるイメージは丁度棺がすっぽりと地中に埋められるのと重なり、死を想像あるいは体験させてくれる。体が中に沈みこむ 地中に入る。そのあとまたそこから立ち上がり出て行くという再生も同時に示唆する。そしてシャワーは洗礼を。洗礼は本来海で行われる。亀も卵を海で産むようにここではバスタブに産卵される。ここでは「海」は「生み」と同音同義になり。「生む」を表す英語のBIRTHは「浴室」のBATHに通じる。油亀のこのバスタブも新しい空間へ入り込ませてくれるエントランスとなる。油亀という異空間の終点であり玄関である。胎内から出て新しい世界に再生する。あるいは夢から覚醒する感覚。この場合、油亀が胎内であり胎外でもある。つまりここで表象されるのは自己再生である。両性具有の亀。過去と未来を常に等位置に持つ亀である。

 

 

 

 

 

 

 

赤い糸    揺蕩う「赤い糸」。

 

 

 

 

 

 

 

 

「エントランス」   

限りなく黒に近い質感の作品「エントランス」。この引き込まれるような入り口は何所へ続くのか。油亀の文字が進み行く種を迎え入れるよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

   

「赤い種」は光を通し時の実を薄明かりとして照らし出す。潮の満ちた満月の夜を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時の実   

「時の実」は静かに連なり種との出会いを願う。

 

 

 

 

 

 

 

時の実   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茶室

茶室にはにじり口から体をかがめて入る事により謙虚さを押し付けていると世間には喧伝されているようだ。(江戸時代の道徳観の影響からくる)。しかしかつて、茶道の創始者としての利休が現れる前までは数奇者たちはこの空間を、「健全な常識」コンベンショナルな外界という夢から覚めさせてくれる場所として自由に空想をふくらませていたのだ。茶の世界では床の間には、選ばれた一輪の花、一幅の書画が供されるように、「1」がキーワードとなってくる。長い旅路を経て辿り着いた種たちもここで選別され「1」に帰していく。床の間でまさに着床する。センシュアルな秘儀である。茶室は油亀の卵巣なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    天井 障子 床の間 畳 空間自体が一つとなり呼応する。

 

 

 

 

 

 

 

 

選ばれた種    表情や形を変化させながら進む種。日に日にその表面は渇きだし硬い塊へと進化する。「選ばれた種」になるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

立体+映像インスタレーション「選ばれた種」  

 

 

 

 

 

 

 

 

                      

 

 

 

メディア

タウン情報おかやま

タウン情報おかやま7月号に掲載いただきました。

リビング新聞社

リビングおかやま6月22日号に掲載いただきました。

oniビジョン

2009.6.29の番組で取り上げていただきました。

山陽新聞社

本展覧会を2009.7.1号の山陽新聞で取り上げていただきました。

皆様のご協力に実行委員会スタッフ一同心より感謝いたします。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山口敏郎インスタレーション作品展 「胎内=油亀」

主催:山口敏郎インスタレーション作品展実行委員会

共催:espacioTAO(spain)、アートスペース油亀(japan)

後援:岡山市、山陽新聞社、朝日新聞岡山総局、タウン情報おかやま

協力:有限会社国富工業、株式会社ココロエ、蟲明焼作家 松本学、押田怜司、るりcafe、ayumi sazi、企画集団 四季祭(順不同 敬称略)

企画:山口敏郎(アーティスト:espacioTAO代表)、柏戸喜貴(ディレクター:企画集団 四季祭代表)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展覧会・作品購入に関するお問い合わせ ⇒ アートスペース油亀 〒700-0812 岡山市出石町2-3-1 086-201-8884 山口敏郎 「胎内=油亀」 詳細はこちらから 七夕茶話 浴衣で集まりましょう。 油亀アニバーサリー企画展 山口敏郎 「予兆-presentimiento-」の最新情報はこちら アーティストグッズ・亀通販はこちら 

 

 

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