■油亀スタッフが綴る展覧会の舞台裏
作品情報をリアルタイムにお届けします。
■■■ 特別イベントのご案内 ■■■
■■■ 田村文宏さんの<印花> ■■■
鳥や鹿、牡丹に蓮。
様々な文様の「型」を彫り、一つ一つ土に「型」を押し当て、
それが「印花文」です。
美しさがおのずと引き立つよう、形や大きさ、
印象的な花や鳥のモチーフは、
オリエンタルな情緒。
■■■ 田村文宏さんの<黒褐釉> ■■■
古来より東洋諸国で使用されてきた「黒褐釉(こっかつゆう)」
その名の通り黒褐色(茶色味も含む黒)が見せる表情の妙と、
マットな質感が魅力。
簡素な造形のなかにも鋭敏な輪郭が、
洗練された佇まいを醸し出している。
■■■ 田村文宏さんの<磁器> ■■■
磁器の醍醐味の一つは、清涼感。
田村さんはそれに加えて、柔和で温かみのある磁器を制作します。
土づくりと釉薬の調合を工夫しているのです。
そこには、独自にブレンドした磁土を
薪窯で焼き上げることで生まれる、
そこはかとない温かみが宿ります。
■■■ 田村文宏さんの<灰釉> ■■■
植物が燃えたあとに残る灰は、
アジアの陶芸を語る上で欠かせないものです。
一見、利用価値のないこの灰から、
人々は釉薬を生み出し、うつわを作り続けてきました。
木々や草の種類によって、
■■■ 田村文宏さんの<暮らしのサイクル> ■■■
土地の暮らしと陶芸が密接に結びついた場所、アジア。
田村さんは旅の中で、その光景を目の当たりにします。
帰国後、愛知県岡崎に窯をかまえ、
山の土を堀り、木々を燃やして釉薬を作り、
自身の暮らしのサイクルから、
田村文宏 / Fumihiro Tamura
愛知県岡崎市在住
1978年 愛知県に生まれる
2004年 愛知県立瀬戸窯業高等学校陶芸専攻科卒業
その後、ホンジュラス共和国やカンボジアで陶芸指導・制作
2017年 アートスペース油亀企画展
田村文宏のうつわ展「 roots 」個展開催
深い黒褐色の表情。浮かぶ印花の模様。かすれた印判。
うつわからはみ出るような力強さと面白さ。
彼の生み出すうつわは、何百年もの時を経て発掘された
アジアの焼き物の根底とつながります。