「伝統」という言葉を前にした時、人は考える。一体、伝統とは何なのだろうかと。
容易に答えのでる問題ではないけれど、ひとつだけ確信をもって言えることがある。
「伝統」とは脈々と受け継がれてきたものに、固執することでは決してないのだと。
しかし「伝統」を受け継ぎ、そこから新たな己の型を生み出せる陶芸家は、そうはいない。
だからこそ、油亀で紹介したい。焼き物の伝統「益子焼」を継承し、新たな益子焼を生み出す男を。
陶芸家、寺村光輔。ついに、岡山で初個展。
寺村光輔の作品に出会った時。絶対に油亀で個展をしたい。
この人こそ、新しい「伝統」を生み出すことが出来る陶芸家だ。
そんな想いを胸に秘めた日から時を経て、ついに願いが叶う時がやってきた。
展覧会のタイトルもまた、出会った時から絶対にこれしかない。
これ以外は考えられないと、ずっとあたためていたものだ。
「温故知新」
故(ふるきを)温(たずねて)新(あたらしき)知(しる)
言うは易く行うは難し。この言葉を実行できる人間こそ、寺村光輔だ。
益子の土や木々から生まれるそのうつわには、益子の伝統が込められている。
だが、それだけではない。「伝統」に向き合い、一心に受け止め、そこから自分だけの型を生み出している。
寺村さんのうつわを目にして、手に取り、使ってみたとき、確信したのだ。
いつか彼のうつわこそ、「伝統」と言われる日が来ると。
アートスペース油亀
展覧会名:アートスペース油亀企画展 寺村光輔のうつわ展「温故知新」
2015年11月21日(土)→29日(日)open11:00 close19:00 入場無料、会期中無休
会場:アートスペース油亀
住所:〒700-0812 岡山市北区出石町2-3-1
お問い合わせ:086-201-8884
作家在廊日:11月21日(土)、22日(日)、28日(土)、29日(日)
※11/21 20:00より「油亀のweb通販」で、ウェブ通販も開催いたします。









■展覧会Webサイト
http://www.aburakame.com
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「アートスペース油亀」でご覧になれます。
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■作品点数と内容
益子の土から生まれた、日常使いのマグカップやそば猪口、ボウル、片口、
飯碗、八角皿、深小鉢、四方鉢、中鉢、麺鉢、舟型鉢、6.5 寸浅鉢、
大鉢、小皿、中皿、角皿、オーバルプレート、大皿、ピッチャー、花器など、
本展では寺村光輔が生みだした1300点を超える渾身作ばかりが一堂に会します。
人気のオクトゴナルのプレートや、新作作品も大登場。




また、寺村光輔×フォグリネンワークさんのオリジナルキッチンクロスも登場いたします。
リトアニア産のリネンを使用して、寺村光輔による監修の、アイテムです。
うつわと共に、長く使い込むことで、風合いを増していくように。
そんな思いを込めて作られました。
※作品はすべて展示販売いたします。
※11/21 20:00より「油亀のweb通販」で、ウェブ通販も開催いたします。











栃木県益子の土。植物の灰。自然の恵みをその手にして、寺村光輔が生みだしたうつわたち。
豆皿ひとつをとっても、綺羅星のごとく光る世界。
さらには、これから寺村光輔が生み出す新しい「伝統」の片鱗をうかがい知ることができる展覧会です。

透き通るように美しい海の下には、夜空のように輝く瑠璃色の世界が浮かびあがる。
栃木県益子の土。植物の灰。自然の恵みから唯一無二のうつわを生みだす。












■作品の特徴
作品の特徴は、その雑味にあります。
益子の土、それもあえて加工されていない原土に近いものを使うのが、寺村光輔のうつわの特徴です。
そのため、益子の土の個性がそのままうつわに現れる。うつわの表面に出る黒い点などは、その一つです。
また、今となっては入手不可能といわれる幻の土、寺山白土を作品に使用してます。
そして、自然の恵みから生まれる灰釉(はいゆう)も、寺村光輔作品の特徴の一つです。
特に、林檎の樹の枝を燃やしてつくる林檎灰釉(りんごはいゆう)を使用した作品は、独特の温かみを感じさせる、寺村光輔の大人気シリーズです。
手間のかかる工程を丁寧にやりとげていくことで、うつわを使う人の気持ちに寄り添った作品を生み出しているのです。
そのため、使い勝手は抜群。
日々のくらしの中で気持ちよく使い続けることができるのです。
※展示作品はすべて販売いたします。
<写真左>寺村光輔「長石釉八角皿」
梨の枝から生まれた釉薬を使った八角皿です。絶妙なサイズが、手に馴染む。取り皿やお菓子皿としても使いまわせる。ものすごく重宝します。
<写真中>寺村光輔「うのふ釉 6.5寸浅鉢(鎬) 」
使いやすさは、一級品。カレーにサラダにパスタ。麺にも丼にもぴったり。油亀のまかない食では、スタッフがこぞって取りあいます。6.5寸浅鉢。
<写真右>寺村光輔「糠青磁釉ピッチャー」
ほれぼれとする色合いに、思わずため息がこぼれてしまいます。碧の輝きは、光でその景色を変えていく。これこそ寺村光輔の釉薬、真骨頂。